置換積分法と並び、数学Ⅲの積分計算で超頻出かつ強力な計算手法が「部分積分法(ぶぶんせきぶんほう)」です。
2つの異なる種類の関数(例:ポロノミアル/多項式 × 三角関数、多項式 × 指数関数など)が掛け合わされた式を見たとき、この部分積分法が威力を発揮します。
この記事では、部分積分法の公式の成り立ちから、一瞬で計算手順が身につく合言葉、そして計算スピードを劇的に上げるテクニックまでわかりやすく解説します!
1. 部分積分法とは?(積の微分公式の逆算)
第2章で学んだ積の微分公式 $(uv)’ = u’v + uv’$ の両辺を積分して移形することで、次の部分積分公式が導かれます。
公式
$$\int f(x)g'(x) dx = f(x)g(x) – \int f'(x)g(x) dx$$
🧠 一瞬で解くための合言葉(呪文)
式だけ見ると複雑に見えますが、次のリズムで覚えるのが一番確実です!
「そのまま・積分 ➖ インテグラル 微分・積分」
2. どっちを「微分側」「積分側」にするかの判断基準
部分積分の成功の秘訣は、2つの関数のうち「どちらを $f(x)$(微分する側)にし、どちらを $g'(x)$(積分する側)にするか」を正しく選ぶことです。
基本ルールは「微分して消える(次数が下がる)関数を微分側に、積分しやすい関数を積分側にする」です。
優先順位ガイド(LIATEの法則)
微分側($f(x)$)に設定すべき順序:
- 対数関数($\ln x$) $\to$ 微分すると $\frac{1}{x}$ になり、多項式と約分しやすくなるため最優先で微分側!
- 多項式関数($x, x^2$ 等) $\to$ 微分すると次数が下がって単純化する。
- 三角関数($\sin x, \cos x$)
- 指数関数($e^x$) $\to$ 微分しても積分しても形が変わらないため、最も積分側に回りやすい。
3. 実戦演習:定番問題の計算手順
【問題】
次の不定積分を計算せよ。
$$\int x e^x dx$$
【解説・解答】
- 微分側 $f(x) = x$ (微分すると $1$ になって消える)
- 積分側 $g'(x) = e^x$ (積分すると $g(x) = e^x$)
公式「そのまま・積分 ➖ インテグラル 微分・積分」に当てはめます。
$$\int x e^x dx = x e^x – \int (x)’ e^x dx$$
$$= x e^x – \int 1 \cdot e^x dx$$
$$= x e^x – e^x + C = \mathbf{(x – 1)e^x + C}$$
4. 定積分の部分積分法
定積分で部分積分を行う場合は、代入する区間 $[ \ \ ]_a^b$ を途中の「そのまま・積分」のブロックにも忘れずに適用します。
$$\int_{a}^{b} f(x)g'(x) dx = \left[ f(x)g(x) \right]_{a}^{b} – \int_{a}^{b} f'(x)g(x) dx$$
5. まとめ:部分積分攻略の鉄則
- 合言葉「そのまま・積分 ➖ インテグラル 微分・積分」を唱えて式を作る。
- 「対数・多項式」は微分側に、「三角・指数」は積分側に割り振る。
- $\int \ln x dx$ のように一見単項式に見える問題は、「$1 \cdot \ln x$」とみなして部分積分を使う(※超定番!)。
ここがクリアできたら、次は特別な形をした積分計算のテクニックである「三角関数の高次積分・有理関数の積分(部分分数分解)」へと進みましょう!
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