微分を使ってグラフを描けるようになると、入試で大定番となっている「方程式の実数解の個数問題」や「不等式の証明問題」を機械的かつ確実に解けるようになります。
一見難しそうに見える数式も、関数のグラフとして捉え直すことで視覚的にスッキリ解決できます。
この記事では、方程式・不等式における微分の使い方と、入試で使える解法パターンをわかりやすく解説します!
1. 方程式への応用:定数分離(ていすうぶんり)による実数解の個数
方程式 $f(x) = 0$ や $f(x) = a$ の実数解の個数を求める問題では、「定数 $a$ を独立させてグラフの交点問題に置き換える」のが鉄則です。
解法の基本手順(定数分離)
- 方程式を $g(x) = a$ (変数は左辺、定数は右辺)の形に変形する。
- 左辺 $y = g(x)$ のグラフを描く(増減表を作成)。
- 右辺 $y = a$(水平な直線)を上下に動かし、$y = g(x)$ のグラフとの交点の個数を数える。
💡 なぜ定数分離が強力なのか?
文字パラメータ $a$ を右辺に隔離することで、$y = g(x)$ のグラフ自体は動かず固定されるため、極値や漸近線を一度描いてしまえば $a$ の範囲による場合分けが一瞬で終わるからです!
2. 不等式への応用:最小値を求めて不等式を証明する
不等式 $f(x) \ge 0$ (または $f(x) > g(x)$ )が任意の $x$ で成り立つことを証明する問題では、関数の最小値に着目します。
証明の基本手順
- すべての項を左辺に集めて、$F(x) = f(x) – g(x)$ とおく。
- 示すべき内容を $F(x) \ge 0$ (指定された範囲内)に読み替える。
- $F(x)$ を微分して増減表を描き、指定された範囲における $F(x)$ の最小値を求める。
- 「最小値 $\ge 0$」 であることを示すことで、範囲内のすべての $x$ で $F(x) \ge 0$ が成り立つと結論づける。
3. 実戦演習:不等式の証明パターン
【問題】
$x > 0$ のとき、不等式 $e^x > 1 + x$ が成り立つことを証明せよ。
【解説・解答】
- $F(x) = e^x – (1 + x)$ とおき、$x > 0$ で $F(x) > 0$ を示す。
- $F(x)$ を微分する。$$F'(x) = e^x – 1$$
- $x > 0$ における $F'(x)$ の符号を調べる。$x > 0$ のとき $e^x > e^0 = 1$ なので、$$F'(x) = e^x – 1 > 0$$
- 関数の増減を結論づける。$x \ge 0$ において $F(x)$ は単調に増加する。また、$F(0) = e^0 – (1 + 0) = 1 – 1 = 0$ である。
- 最小値(端点)から不等式を導く。$x > 0$ のとき $F(x) > F(0) = 0$ となるため、$$e^x – (1 + x) > 0 \implies \mathbf{e^x > 1 + x}$$(証明終)
4. まとめ:方程式・不等式攻略の鉄則
- 方程式の実数解の個数は「定数分離 $g(x) = a$」で固定グラフと水平線の交点問題にする。
- 不等式の証明は「(左辺)−(右辺)$\ge 0$」の形にして「最小値 $\ge 0$」を示す。
- 極小値や端点での値が正であることをしっかり明記するのが答案作成のコツ。
ここがクリアできたら、次は第2章の最後のトピックである「速度・加速度・近似式への応用」へと進みましょう!
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