【数学Ⅱ】2-4: 代入するだけで余りが判明!剰余の定理と因数定理の仕組み

数学Ⅱ

多項式の割り算をするとき、わざわざ筆算を行わなくても「余りだけを瞬時に求める」ことができる便利な定理が剰余(じょうよ)の定理です。さらに、その応用である因数定理は高次方程式を解くための最強の武器になります。

この記事では、なぜ代入するだけで余りがわかるのかという仕組みから、記述解答のポイントまでを解説します!

1. 剰余の定理とは?

多項式 $P(x)$ を 1次式 $x – k$ で割ったときの余り $R$ は、

$$R = P(k)$$

つまり、割り算の式に $x = k$ を代入した値がそのまま余りになるという定理です。

なぜそうなるのか?(仕組み)

$P(x)$ を $x – k$ で割ったときの商を $Q(x)$、余りを $R$ とすると、割り算の基本式は、

$$P(x) = (x – k)Q(x) + R$$

と書けます。この両辺の $x$ に $k$ を代入すると、

$$P(k) = (k – k)Q(k) + R = 0 \cdot Q(k) + R = R$$

となり、見事に商 $Q(x)$ が消えて余り $R$ だけが残るのです!

2. 因数定理とは?(剰余の定理の特別バージョン)

余り $R$ が $0$ になるとき、すなわち割切れるときを考えたのが因数定理です。

$$P(k) = 0 \quad \iff \quad P(x) \text{ は } (x – k) \text{ を因数に持つ}$$

つまり、$P(x) = 0$ となる数字 $k$ を1つ見つけ出すことができれば、$P(x) = (x – k) \times (\text{その他の式})$ の形に因数分解できることを意味しています。

3. 実践問題(剰余の定理)

問題

多項式 $P(x) = x^3 – 3x^2 + 4x – 5$ を $x – 2$ で割った余りを求めよ。

【解答例】

剰余の定理により、求める余りは $P(2)$ の値に等しいので、

$$P(2) = 2^3 – 3 \cdot 2^2 + 4 \cdot 2 – 5 = 8 – 12 + 8 – 5 = -1$$

したがって、余りは $-1$ です。

4. 応用問題(2次式で割った余りの決定)

問題

多項式 $P(x)$ を $x – 1$ で割ると余りが 3、$x + 2$ で割ると余りが $-6$ である。

$P(x)$ を $(x – 1)(x + 2)$ で割ったときの余りを求めよ。

【解答例】

2次式 $(x – 1)(x + 2)$ で割ったときの余りは、1次以下の式($ax + b$) と置くことができます。

商を $Q(x)$ とすると、

$$P(x) = (x – 1)(x + 2)Q(x) + ax + b$$

与えられた条件より、剰余の定理から $P(1) = 3, P(-2) = -6$ です。

  • $x = 1$ を代入:$P(1) = a + b = 3$ … ①
  • $x = -2$ を代入:$P(-2) = -2a + b = -6$ … ②

① $-$ ② より、

$$3a = 9 \iff a = 3$$

① に代入して $b = 0$。

したがって、求める余りは $3x$ となります。

5. まとめ

  1. $x – k$ で割った余りは $P(k)$ を計算するだけ!
  2. $P(k) = 0$ になれば $(x – k)$ で因数分解できる(因数定理)
  3. 2次式で割った余りは $ax + b$ と設定するのが定石!

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