【数学B】2-4: 正規分布と標準正規分布を分かりやすく解説!

数学B

確率や統計の世界で、最も重要で美しいと言われるグラフが「正規分布(せいきぶんぷ)」です。

高校生のテストの偏差値、人間の身長や体重、製品の寸法の誤差など、自然界や社会のあらゆるデータは、数を大量に集めると「中央が高く、左右対称な山型のカーブ」を描くことが知られています。

この記事では、難しそうな数式をできるだけ使わず、正規分布のイメージから、テストで必ず出題される「標準正規分布への変換($Z$ 化)」のやり方まで分かりやすく解説します!

1. 正規分布とは?(きれいな左右対称の山型)

正規分布とは、「平均値のあたりが一番高く、そこから左右対称に裾野が広がっていく確率分布」のことです。

記号では $N(m, \sigma^2)$ と表します($N$ は Normal distribution の頭文字)。

  • $m$ : 平均(山のてっぺんの位置)
  • $\sigma^2$ : 分散($\sigma$ は標準偏差。山の「横幅・広がり具合」を決める)

イメージ:

  • 平均 $m$ が変わると ➔ 山全体が左右に平行移動する
  • 標準偏差 $\sigma$ が大きくなると ➔ 山がペシャンコに潰れて横に広がる
  • 標準偏差 $\sigma$ が小さくなると ➔ 山がシャープに尖る

2. 【超重要】標準正規分布 $N(0, 1)$ と「$Z$ 化」

世の中にはさまざまな正規分布(平均 $50$ 点のテスト、平均 $170\text{cm}$ の身長など)が存在します。

しかし、分布ごとにいちいち確率(面積)を計算するのは大変ですよね。

そこで、どんな正規分布であっても「平均 $0$、標準偏差 $1$」の基準となる特別な正規分布に無理やり変換して揃えてしまいます!

この「平均 $0$、分散 $1^2$ の正規分布 $N(0, 1)$」のことを標準正規分布(ひょうじゅんせいきぶんぷ)と呼びます。

どんな数値も一発で基準化する「$Z$ 化」の公式

確率変数 $X$ が正規分布 $N(m, \sigma^2)$ に従うとき、次の変換を行うと、新しい変数 $Z$ は標準正規分布 $N(0, 1)$ に従うようになります!

$$\Large Z = \frac{X – m}{\sigma}$$

合言葉で覚える!

「(元のデータ - 平均)÷ 標準偏差」

この変換作業のことを「$Z$ 化(標準化)」と呼びます。

3. 正規分布表($Z$ 表)の読み方

$Z$ 化をする最大のメリットは、教科書の巻末についている「正規分布表(標準正規分布表)」が使えるようになることです!

正規分布表には、「$0$ から $u$ までの確率 $P(0 \leqq Z \leqq u)$(グラフの面積)」の数値がずらりと記録されています。

表を読むときの3つの基本ルール

標準正規分布のグラフは 「$Z = 0$ を中心に左右完全対称」 で、「全体の面積(確率の合計)が $1$(半分は $0.5$)」 という性質を持っています。

  1. $P(0 \leqq Z \leqq u)$➔ 正規分布表の数値をそのまま読む!
  2. $P(Z \geqq u)$(右側の端っこの確率)➔ 右半分全体($0.5$)から表の数値を引く!$$P(Z \geqq u) = 0.5 – P(0 \leqq Z \leqq u)$$
  3. $P(Z \leqq -u)$(左側の端っこの確率)➔ 左右対称なので、$P(Z \geqq u)$ と同じ!$$P(Z \leqq -u) = 0.5 – P(0 \leqq Z \leqq u)$$

4. 例題で計算手順をマスターしよう!

実際のテスト形式の問題で解き方を確認してみましょう。

例題

【問題】

ある高校の小テストの点数 $X$ は、平均 $60$ 点、標準偏差 $10$ 点の正規分布 $N(60, 10^2)$ に従うものとする。

このとき、点数が $75$ 点以上となる生徒の割合(確率)を求めよ。

(ただし、正規分布表より $P(0 \leqq Z \leqq 1.5) = 0.4332$ とする)

【解答・解説】

Step 1:問題の確率を式にする

求めたい確率は $P(X \geqq 75)$ です。

Step 2:$X$ を $Z$ に変換($Z$ 化)する

平均 $m = 60$、標準偏差 $\sigma = 10$ なので、公式 $Z = \frac{X – m}{\sigma}$ を使います。

$X = 75$ のときの $Z$ の値は、

$$Z = \frac{75 – 60}{10} = \frac{15}{10} = 1.5$$

したがって、求める確率は $P(Z \geqq 1.5)$ に言い換えることができます!

Step 3:グラフの面積をイメージして正規分布表から計算する

$P(Z \geqq 1.5)$ は、右側の端っこの面積なので、「右半分($0.5$)」から「$0$ から $1.5$ までの面積」を引き算します。

$$P(Z \geqq 1.5) = 0.5 – P(0 \leqq Z \leqq 1.5)$$

$$= 0.5 – 0.4332 = \mathbf{0.0668}$$

つまり、$75$ 点以上の生徒の割合は 約 $6.7\%$ だとわかりました!

5. まとめ

今回は「正規分布と標準正規分布」について解説しました。

  • 正規分布 $N(m, \sigma^2)$: 平均を中心とした左右対称の山型カーブ
  • 標準正規分布 $N(0, 1)$: 平均 $0$、標準偏差 $1$ に揃えた基準の分布
  • $Z$ 化の公式: $Z = \frac{X – m}{\sigma}$ ((データ - 平均)÷ 標準偏差)
  • 計算のコツ: 必ず自分で簡単な山のグラフを描いて、どの部分の面積を求めたいのか目視確認する!

正規分布の問題は、「$Z$ 化して標準正規分布表に当てはめる」という手順さえ覚えてしまえば、どんな文章題でも同じパターンで解くことができます!

次回は、二項分布と正規分布の強力なコラボレーション「【数学B】2-5: 二項分布の正規分布による近似を分かりやすく解説!」をお届けします!

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