数の割り算と同じように、多項式同士でも割り算(筆算)を行うことができます。また、分数の中に式が入る「分数式」や「繁分数式」の扱い方を覚えると、数学Ⅱの複雑な計算がスムーズになります。
1. 多項式の割り算(筆算ルール)
多項式 $A$ を多項式 $B$ で割ったときの商を $Q$、余りを $R$ とすると、次の関係が成り立ちます。
$$A = BQ + R \quad (\text{ただし、} R \text{ の次数} < B \text{ の次数})$$
筆算の注意点
- 被除数(割られる式)・除数(割る式)をともに降順(次数の高い順)に並べる。
- 抜けている次数(例: $x^2$ の項がないなど)がある場合は、スペースを空けておく。
2. 実践問題(多項式の割り算)
問題
$2x^3 – 3x^2 + 5$ を $x^2 – 2x + 1$ で割った商と余りを求めよ。
【解答例】
$x$ の1次の項($x$ の項)がないため、空けて筆算を行います。
2x + 1 ← 商 Q
_____________________
x² - 2x + 1 ) 2x³ - 3x² + 0x + 5
2x³ - 4x² + 2x
-------------------
x² - 2x + 5
x² - 2x + 1
-------------
4 ← 余り R
したがって、商は $2x + 1$、余りは $4$ となります。
関係式で表すと以下のようになります。
$$2x^3 – 3x^2 + 5 = (x^2 – 2x + 1)(2x + 1) + 4$$
3. 分数式と繁分数式(はんぶんすうしき)
分数式の中にさらに分数が入っている式を繁分数式と呼びます。
$$\frac{\frac{A}{B}}{\frac{C}{D}}$$
繁分数式の処理手順
分母と分子に同じ式(分母の公倍数)をかけることで、一気に単一の分数式に整理できます。
4. 実践問題(繁分数式)
問題
次の式を簡単にせよ。
$$\frac{1 – \frac{1}{x}}{1 – \frac{1}{x^2}}$$
【解答例】
分母と分子に $x^2$ をかけます。
$$\frac{\left(1 – \frac{1}{x}\right) \cdot x^2}{\left(1 – \frac{1}{x^2}\right) \cdot x^2} = \frac{x^2 – x}{x^2 – 1}$$
分子と分母をそれぞれ因数分解して約分します。
$$= \frac{x(x – 1)}{(x – 1)(x + 1)} = \frac{x}{x + 1}$$
したがって、答えは $\frac{x}{x+1}$ です。
5. まとめ
- 多項式の割り算は「最高次の項を消していく」筆算を実行する。
- 余り $R$ の次数は、割り算を行う式 $B$ の次数より低くなる。
- 繁分数式は「分母と分子に同じ式を掛ける」ことで簡単に処理できる。
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